新築戸建ての空き巣被害はマンションの3倍。GW明けの今、防犯対策を見直すべき理由

「新築だから大丈夫」という安心感が、実は一番危ない。

これは大げさな話ではなく、防犯の専門家や警察が実際に指摘していることです。新築の一戸建てを購入した直後というのは、防犯上のリスクが高い時期のひとつです。その理由と、今すぐできる対策を整理します。


戸建ての侵入窃盗はマンションの約3倍

警察庁のデータから、まず現実を見ておきます。

令和5年に発生した住宅への侵入窃盗の認知件数は1万7,469件で、前年比11.3%増加しています。そのうち、一戸建てへの侵入が30.5%と最も多く、マンションなど共同住宅と比較すると約3倍の件数が発生しています。

「戸建てに引越したから安心」ではなく、「戸建てに引越したから対策が必要」というのが正しい認識です。マンションはオートロック・管理人・防犯カメラなどが機能していますが、戸建ては自分で防犯を整える必要があります。マンションから戸建てに住み替えた方が最も見落としやすいのが、この防犯環境の違いです。


なぜGW明けの今が防犯を見直すタイミングなのか

空き巣が特に多くなる時期のひとつが5月のゴールデンウィークです。大型連休で家を空ける機会が増えること、引越しシーズン直後で近隣との関係がまだ薄いこと、新しい住民の生活パターンが周囲に知られていないことが重なります。

GW明けの今は、連休中に「うちは防犯対策が何もできていない」と気づいたという方からの相談が増える時期でもあります。引越しから数週間〜数ヶ月が経過して、ようやく「次は防犯だ」と考える余裕が出てくるタイミングです。

また、これから梅雨・夏にかけては窓を開けて過ごす機会が増えます。換気のために窓を少し開けたまま外出する、就寝中に窓を開けておくという場面が増えるのもこの季節です。こういった隙を狙った侵入が増えやすい時期でもあります。今動いておくことが、夏前の備えとして最も合理的なタイミングです。


空き巣はどこから入るのか

対策を考える前に、侵入経路を知っておく必要があります。

警察庁の令和5年のデータによると、一戸建てへの侵入経路で最も多いのは「窓」で55.2%、次いで「表出入口(玄関)」が20.2%となっています。つまり、侵入の半数以上が窓からです。

窓からの侵入手口で最も多いのは「ガラス破り」です。窓ガラスを割って鍵を解錠し、そのまま侵入する手口で、道具があれば数秒〜数十秒で実行できてしまいます。

ただし、侵入に時間がかかると判断されると、犯人の多くは諦めて立ち去ります。政府の調査によると、5分以内に侵入できなければ約7割が諦めるというデータがあります。つまり防犯対策の目的は「完全に防ぐ」ことではなく、「侵入に時間をかけさせる」ことです。ここを理解しておくと、対策の選び方が変わってきます。


防犯フィルム

窓ガラスに貼る透明のフィルムです。外観は施工前後でほぼ変わりません。

防犯フィルムを施工すると、ガラスが割れにくくなり、万が一割れても破片が飛散しにくくなります。ガラス破りによる侵入を試みた場合、フィルムがない窓と比べて侵入に時間がかかるため、犯人が諦めるきっかけになります。

マンションから戸建てに引越してきた方に最初に提案することが多いのがこれです。外観が変わらない・工事時間が短い・比較的費用が抑えやすいという理由から、まず取り組みやすい選択肢として人気があります。特に1階の窓・就寝部屋の窓・浴室まわりの窓など、外から直接アクセスできる窓への施工が優先度が高いです。

なお、防犯フィルムにはCP部品(防犯性能の高い建物部品)として認定されているものがあります。国が定めた試験を通過し、5分以上の抵抗時間が確認されたものが認定対象となります。施工する際は、CP認定品かどうかを確認しておくと安心です。

面格子

窓の外側に取り付けるアルミ製の格子です。物理的なバリアとして機能し、窓ガラスを割っても格子があるため室内に侵入することができません。

縦格子・横格子・ダイヤモンド格子など形状の種類があり、外壁の色や外観の雰囲気に合わせて選ぶことができます。防犯フィルムと異なり外見からはっきり「防犯対策をしている家」とわかるため、抑止力として視覚的な効果も期待できます。

建売住宅の場合、浴室・洗面・トイレなどの小窓に特に有効です。これらの窓は人が通り抜けるには小さいようでも、大人が侵入できるサイズであることが多く、かつ道路や隣家から見えにくい位置に設置されていることが多いため、侵入口として狙われやすい傾向があります。

シャッター

窓の外側に設置するシャッターは、閉めた状態では窓そのものへのアクセスを物理的に防ぎます。防犯性能としては最も高いと言えますが、全窓への設置はコストがかかるため、1階の大きな窓・リビング・寝室など優先度の高い箇所への設置が現実的です。

シャッターには防犯以外にも台風・強風時の窓ガラス保護という機能もあります。これから夏の台風シーズンを迎えるにあたって、「防犯と防災を同時に解決できる」という点でシャッターを選ぶ方が増えています。

操作方法は手動と電動があります。電動は利便性が高い分コストが上がりますが、毎日開け閉めする窓(寝室・リビング)は電動の方が継続して使いやすいという声が多いです。

「新築だから狙われにくい」は間違い

これは防犯の世界でよく言われることですが、新築一戸建ては空き巣から見ると「資産があるけれど、まだ防犯対策をしていない可能性が高い家」として認識されることがあります。

建売住宅が並ぶ分譲地は、同じ外観の家が並んでいるため、「どの家が防犯対策をしているか」が外から見えやすい環境でもあります。面格子やシャッターがついている家は「時間がかかる」と判断され、ついていない家が選ばれやすくなります。

近年は「闇バイト」を使った組織的な強盗事件の報道が増えています。令和5年度の侵入強盗に伴う身体犯は前年比35.4%増と大きく増加しています。こうした凶悪犯罪は従来の空き巣とは性質が異なり、物理的な抑止力がより重要になっています。「鍵をかけているだけ」ではなく、窓への複合的な防犯対策が求められています。


防犯対策、何から始めればいいか

「全部やりたいけど、費用的に優先順位をつけたい」という方に向けて、考え方を整理します。

まず優先すべきは「1階の窓」と「外から見えにくい位置の窓」です。特に浴室・洗面・トイレの小窓は、道路や隣家から死角になりやすく、空き巣に狙われやすい経路です。ここに面格子か防犯フィルムを入れておくことが最初のステップです。

次に優先度が高いのは「寝室の窓」です。就寝中に侵入されるリスクを下げるために、シャッターまたは面格子の設置を検討してください。

リビングの掃き出し窓は面積が大きく施工コストも上がりますが、外から最もアクセスしやすい窓でもあります。防犯フィルムのみでも効果はありますが、シャッターがあるとより安心です。

全部まとめて施工するのが最もコスト効率が高いですが、予算に応じて優先順位をつけながら進めることも可能です。まず現地を見てもらって、費用感の見積もりを取ることから始めてください。


まとめ

新築一戸建ての空き巣被害はマンションの約3倍。そしてGW明けの今は、引越し後の防犯対策を本格的に考え始めるタイミングとして最も合理的な時期です。

防犯フィルム・面格子・シャッターは、いずれも「侵入に時間をかけさせる」ことで犯人を諦めさせる効果があります。全部一気にやる必要はありませんが、まず1階の窓だけでも対策しておくことで、リスクを大きく下げることができます。

「新築だから大丈夫」という油断が、一番のリスクです。引越し後の早いタイミングで、一度防犯の状況を確認してみてください。


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